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2008年11月12日水曜日

フォトリーディングは魔法ではない

私は2001年にフォトリーディングを知り、2002年に講座を受講し、
その後、インストラクターになりました。
当時は、受講者のほとんどは経営者の方で、
私のようなビジネス経験の浅い者がこんな高額講座に参加して良いのだろうかと
不安になったものです。
ですが、すっかり日本社会の様相は変わりました。
最近は、非常に若い方の受講が増えています。
マスメディアの報道などの影響で、フォトリーディングが一般化している証拠であり、
嬉しい面もありますが、
一方で、誤解も発生しているのでは、というのが、インストラクターとしての不安です。
フォトリーディングは魔法の読書法ではなく、
非常に地に足のついた読書法です。
ですが、安易な報道に煽られて、魔法のように簡単に本が読めてしまうのでは、
と期待して、受講なさる方もたまに出てきました。
冷静に考えれば、そのようなことはあるはずがありません。
ですが、なぜかしら、そういう期待を抱いてしまうのでしょう。
このような方は、結局そうでないことを理解すると戸惑います。
魔法がないことを知り、失望すると、何も学べないと思ってしまいます。
ですが、もともと魔法などあるはずがありません。
ですが、魔法がなくても学べることはたくさんあるのです。

ですので、本気で読書力を高めたいと考えている方、
そのために努力しようと思える方、
さまざまなものから、学びを吸い取り、自分のものにしようと思う方にこそ
フォトリーディングを学んでもらいたいと思います。

このような気持ちを持っている方には、
フォトリーディングは人生を変えるほどの素晴らしいヒントになるでしょうが、
依存心が強く、魔法の杖を手軽に手に入れたいと思う人には、
何の意味もないものになるかもしれません。

フォトリーディングの講座には、資格試験を目指す方が多くいらっしゃいます。
フォトリーディングで簡単に資格を取っちゃおうかな~、
というのも悪くはないのですが、
そんなに甘くはないことを、あらかじめ知っておいてください。
ただ、甘くはないけれど、
きっと役に立つこともあるはずです。

魔法のツールがあれば、どうにかなるということではなくて、
ツールを使いこなし、使いきるくらいの覚悟とやる気があれば、
ちゃんと価値があるものになります。
自分の人生を真剣に考えて、そのヒントを得たいと考える人は
是非、講座に来てください。

2008年11月11日火曜日

思考のパラドックスに気づけば売れるようになる

ここ数日は秋田、広島と出張続きでした。
本業の経営コンサルタントとしての活動が続いています。

仕事をする中で、ある経営者の方が

「3期連続赤字が続いたら、その事業は社会に貢献できていないということであるから、事業再編を考えなくてはならない」

ということをおっしゃられていました。

こういう風に言っていただくと、本当に気持ちいい。
さすがに良い経営をなさっていると感じ入ります。

赤字であるということは、社会に対して価値提供ができていない状態である、と言い換えることができます。
逆に儲かっているということは、社会に価値提供ができている一つの証になります。
もちろん、単に儲かれば良いのかというと、そうではないですが、価値の代価として売上があり、利益があるのですから、黒字を出すというのはとても大切なことなのですよね。

当たり前のことのように思えますが、案外、私たちはこういった当り前のことを受け入れられない場合があるのです。

「単に儲かればいいのか」と負け惜しみを言ってしまう時。

「正直者は損をする」と愚痴を言ってしまう時。

「良いものなのに売れない」と意味不明のことを言ってしまう時。

ビジネスを持っている人なら、一度くらいはこういう経験があるのではないでしょうか。

ですが、売れていないということは、単純に価値創造できていないということで、これは受け止めなくてはならないことなのですよ。
そのことを受け止めて、自分のやり方を改善しようとしない限り、一生売れない状態から抜け出せません。

ところが、多くの人は自分が間違ったやり方をしているということ、自分が価値を創造できていないということを受け入れられないんですよね。
おそらく、自分を否定されるように思えて、辛いのです。
「自分のやり方ではうまくいかない」と考えると、誰しも嫌な感情が生まれます。
これを受け入れる時というのは、本当に辛いものです。

とある本の中に、

「人間はパラドックスと問題を混同して、問題解決をしようとしてうまくいかないでいる」

というような意味のことが書かれていました。

「売れない」ことは問題だと捉えることもできますが、実は、パラドックスに陥っているだけかもしれません。
「自分は良くやっている」という思いと「売れない」という事実の間にある矛盾を受け入れられず、自分の中にモヤモヤとした気持ちを抱え続けているだけなのかもしれません。
モヤモヤしながら、売れないという問題を解決するために手を打ち続けても、うまくいかないのでしょう。
ですが、矛盾の意味を理解すれば、モヤモヤは消え、ス~っと前に進むのではないでしょうか。この時には、パラドックスが解消されたということになります。

人間の思考というのは、こうしたパラドックスをたくさん抱えているそうです。
私自身も考えてみると、いろいろと思い当たる節があります。
なかなか解決できない問題だと思い込んでいることの中には、
もしかしたら、こうした思考の仕方が原因になっていることが、たくさんあるのかもしれないですね。

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2008年11月7日金曜日

女がキャリアゼロから創業するには

10、11月は講演のシーズンで、ここ数年間、全国を回っています。
特に多いのが「創業塾」の講師をするパターン。
なかでも、「女性創業塾」というのがあるんですよ。
普通の創業塾より人が集まるそうです。
女性のほうが、元気なんですね。

私自身、小さい会社ではありますが、一応女性創業者なので、
受講者の方々に自分の体験談を話すと、皆さん、興味深く聞いてくださいます。

思えば、必死でやりながら会社を作って4年が過ぎました。
よく、ここまで来れたよな~という気がします。
小さいなりにも成長してこれた要因を思い出してみると、

1 自分一人でやろうとしなかった
2 1ランク上の目標を自分に課した
3 営業権を買って事業を広げた
4 ネット活用した

というのが成功要因だったように思います。

会社設立して間もないときに、パートナーの工藤に資本金を出してもらい、共同経営としました。共同経営は非常に難しい面もありますが、プラス面もあります。
うまくいくか、いかないかは、やってみないと分からないですが、私の場合は、個人よりも、やはりチームを重視しました。
たしか、ビジョナリーカンパニーだったかにも書いてありました。
「優れた企業は一人の経営トップではなく、数名のCEOチームで経営されている」
うちが優れた企業だということではないですが、数名での経営というのは、成功要因かもしれないですね。

ワンランク上の目標については、いつも売上額よりも1ランク上の事務所を借りるようにしました。
すると、不思議なことにあとから売上額が追い付いてきます。
自分で「これだけ売上げよう」と無意識に思うからなんですね。
社員を入れても同じことが起きます。
ちょっと無理して、自分のお給料減らしても事務所を借りたり、社員入れたりすると、
それなりの売上が上がってくるんですよ。
面白いですね。

営業権については、ヒプノセラピー、マインドマップとお金をかけてでも取得しました。
もちろん、自社ドメインに合致していないとまずいですが、営業権取得したおかげで、事業が安定化してきました。

あとはインターネット活用のマーケティング。
大したことはできていないですが、ネットに関しては外部スタッフを抱えてでもきちんとやったほうがいい。
今はうちもネットの顧問を入れています。

さて、今日もこれから秋田の創業塾に行ってきます。
明日、明後日、プレ創業者たちに会ってきますね!!

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2008年11月6日木曜日

マインドマップとフォトリーディングを使った勉強法

資格試験を受けたいと考えている方が、
フォトリーディングとマインドマップの講座にいらっしゃるケースが、
最近とても多くなっています。

勝間和代さんの影響か、
特に会計士を目指しているという若い人がよくおいでになります。

私も中小企業診断士試験を1次、2次、ストレート合格した経験を持っており、
(ストレート合格率は3%)
インストラクター・プロフィールにもそのことを書いているので、
試験対策でフォトリーディングやマインドマップを学びたい人が
特に集まっていらっしゃるようです。 

資格試験は「受かる」と決めてかからないと受からないもので、
この辺りのことは、実はセルフマネジメント、目標実現手法なのですが、
今日は、フォトリーディングやマインドマップを勉強にどのように活用すれば良いのかを解説します。

資格試験などでは、何科目かが試験範囲になりますが、
これらは科目をバラバラに学習するよりも、全体的に学習を進めたほうがいいです。
科目間の知識が繋がり、全体の関係が見えてくるくらいのレベルになると、
国家試験合格レベルに達すると考えられます。

中小企業診断士試験であれば、私が受験したときには(2003年)、
1次試験は9科目8試験(今は助言理論がなくなりました)を一度に受験し、
総合計で1000点満点中600点以上であり、
40%得点未満の科目がないことが合格条件でしたが、
9科目をすべて一気に学習するのは、非常にハードなことでした。
科目も実にさまざまで、学習初期はまったくバラバラの知識のように思えます。
ですが、学習が進んでくると、実にすべてが繋がってきます。

ですので、勉強方法としては、
フォトリーディングをおおいに使って、全科目を何度も見たり、拾い読みしたりして、
全体に対する馴染みをつけながら、詳細を学習するようにしていきます。
徐々に知識が固まってきたら、この時点でマインドマップを使います。

学習初期の段階で整理目的にマインドマップを使うのも一つの方法ですが、
私の経験では、これだけでは学習効果は薄いものになります。
整理はできますが、時間がかかりますし、
案外、あとから使わないというケースが多いと思います。
テキストにすべての情報を集めて書き込みしてしまい、
それを繰り返し見たほうが、おそらく知識定着と理解に役立つでしょう。

それでは、いつマインドマップを使うと効果的かというと、
学習初期ではなく、学習中期頃に使います。
ある程度、知識が固まってきたら、
テーマ別に、テキストも何も見ず、
自分の理解していることをマインドマップに書いてみるとよいでしょう。

つまり、インプットではなく、アウトプットのツールとしてマインドマップを勉強に活用するのです。
最初は何も書けないと思うかもしれませんが、書いているうちに徐々にいろいろなことが頭に浮かびますので、どんどん書いてしまいましょう。
もしかしたら、テーマから外れたことが思い浮かぶかもしれませんが、構いません。
それも書いてしまいましょう。

これを書いている段階で、脳の中では、さまざまな断片知識の繋がりが再現され、
理解が深まり、記憶の定着が図られます。

書き終えてマインドマップを全体的に眺めてみると、新たなことに気づくかもしれません。
今まで、自分では見えていなかった知識と知識の繋がりを見出すこともあります。
これは、マインドマップの特徴で、全体を見渡し繋がりを見つけやすいために、気づきや創造に非常に役立つのです。

さて、マインドマップを書いてみると、自分が何を知らないかもよくわかります。
それが発見できたら、ラッキーです!!
今度は、その「自分が知らないこと」を目的として、フォトリーディングの活性化をしてください。
自分が読むべき個所、補強すべき知識が明確になっていますから、非常に効率的な勉強ができるはずです。

マインドマップ&フォトリーディングは最強の勉強ツールになります。
私もこれで一発合格を果たしたのですから。

これらは単なるノート法や読書法ではなく、人間の能力を生かすための人生の生き方講座でもあるように思っています。
私の場合には、これらの勉強ツールを使うほかに、ヒプノセラピーなどで用いる「自己暗示」の力をとことん使って、モチベーションを維持し続けていました。

試験に向かうのは本当に大変ですが、やれば大抵の人は合格する能力を持っています。
私だって、何も事前知識がなくて、合格したのですから。

要は、「やるか、やらないか」

それだけなのだと思います。

塚原美樹のマインドマップ講座はこちら

塚原美樹のフォトリーディング集中講座はこちら

塚原美樹のヒプノセラピー講座はこちら



2008年11月5日水曜日

ダイアローグについて考える

デビッド・ボームの「ダイアローグ」は、昨年秋、日本で出版されて、買った人も多いのでは。
私も遅ればせながら、読んでみました。

ダイアローグについては、経営品質で学んでいたので分かっているつもりだったのですが、結構、新たな発見や気づきがありました。

ダイアローグの語源は「ディア ロゴス」というギリシャ語で「ディア」は「流れる」を、「ロゴス」は「意味」を表す言葉である、ということは知っていました。
ですが、「意味が流れる」ということの意味を取り違えていたかもしれません。

私は「意味が流れる」ということは、人と人との間に同じ意味が流れるということだと思っていたのですが、デビッド・ボームは違う解釈をしています。

良いダイアローグの中では、お互いにお互いの言葉を素直に受けて、自分の思考を広げます。
AさんがBさんに何かを話します。
すると、BさんはAさんの言ったことを受けて何かを言います。
BさんはAさんの言ったことの意味を理解したように見えますが、実は、Bさんの心の中で掴んだものはAさんの心の中にあったものとは異なっています。
Aさんはそのことに気付きながら、Bさんの言うことを聞き、そしてまた、Aさんの心の中に生まれた新しい考えを言います。

つまり、一度として二人は同じ意味を共有したことはありません。
「意味が流れる」というのは、人と人との間を意味が行き来するうちにどんどん変化をし、新しい意味が生まれるというふうに捉えるのが、デビッド・ボームの考えのようです。

たしかに。。。。

誰かと話をする際、息詰まる、行き詰る、という体験がよくあります。
対立するのが面倒な場合には、当たり障りのない話だけをして済ませます。
つまり、対話(ダイアローグ)ができていないわけです。

相手に自分の言ってることの意味を共有してもらおうなんて、そもそも無理だったんですね。
昨日、ヒプノセラピストの話の「聴き方」について書きましたが、同じことです。
ヒプノセラピストがクラエントの言っていることを「オウム返し」したとたんに、意味が変わってしまう。
カウンセリングなどを少し学んだ方は、「オウム返し」をすることは、相手のことを「分かってあげた」ように表現できるので、良い方法であると思っているようです。
ですが、実はこれはクライエントに「意味の押し付け」を起こしてしまう原因にもなりかねない。
たとえオウム返しであったとしても、セラピストが言った言葉はクライエントの心の中の意味とは異なるからです。
実際に、セラピー中にオウム返しを受け続けると、クラエントは逆に「受容されていない」と感じてしまいます。
体験すると分かるでしょう。

多くの人は、「相手は自分の言ってることの意味を共有できるはずだ」という誤解があるために、うまくダイアローグができないのかもしれないですね。

「なんで分かってくれないんだ!!」

と私も何度も思いました。
でも、相手が自分の考えや気持ちをまったく同じように共有するなんてありえないわけです。
そうではなく、相手が新たに生み出した考えを聞き、自分も新たな考えを生む、とだけ考えていれば良い。

とは言え、非常に難しいと思いますが。。。。

ダイアローグの練習をする際、グループで議題もなく話をするところから始めるべきである、ということが書かれていました。

かなり、辛抱と時間が必要なように思われますが、やってみたいですね。
どんな成果が出るのか。

実験ですね。



2008年11月3日月曜日

コンサル中にクライエントの話を上手に「聴く」ためには?

昨日、一昨日とヒプノセラピーの講座を開催していました。
ヒプノセラピーはまだまだ社会的に認知されておらず、特にビジネスの世界では知る人が少ない分野です。
また、「催眠」を使うということで、「あやしい」と思われるようで、本当に日の目を見ませんが、対人的なビジネスを行う方にとっては、ものすごく学びのある「言葉」の技術なのです。
そのことに気づいてか、最近ではインテリ層の方々が受講なさっています。

・医師
・整体師
・薬剤師
・カウンセラー
・コンサルタント
・人事担当者
・経営者
・学校教師

など、実にさまざまな方が学びにいらっしゃいます。
私自身も経営コンサルタントであり、ヒプノセラピーの技術をコンサルティングや講演などに活用しています。

ヒプノセラピーの技術の活用範囲はさまざまですが、今日は、そのうちの「聴く」技術について少しだけお話したいと思います。

私たちは日常的に人の話を「聞く」ことをしていますが、きちんと「聴く」ことが出来ている人はほとんどいないのではないでしょうか。
あなたは話を聞いて、相手の心の中の様子を、しっかり受け取っていると思いますか?

ヒプノセラピーでは、「聴く」ためにさまざまな技術を用います。

1 ヒプノセラピストの持っているイメージを用いない
2 ヒプノセラピストの考えや信念を用いない
3 クライエントを全面的に受容する

このように書くと簡単なようですが、結構難しいことなのです。
講座においでの方々の多くが、このような聴き方に慣れていません。
ヒプノセラピーを学び始めた初期の頃は、どうしても自分の思い込みをクライエントに押し付けるような投げかけをしてしまいます。

たとえば、クライエントに自宅にいるイメージを描いてもらうよう指示したとします。
慣れない人は
「あなたは今、いつもくつろいでいる自宅にいますよね」
などと言ってしまいます。
ですが、クライエントが自宅でくつろげる人なのかどうなのかはクライエントしか知りません。
「自宅=くつろげる」
という固定概念をヒプノセラピストが押し付けているだけなのです。
この固定概念がクライエントの持つ考えや信念と異なる場合、
クライエントは押し付けられている感じを受け取ってしまい、その後のコミュニケーションが成り立ちません。

ヒプノセラピーのことでお話しましたが、
コンサルティングやコーチングでも同じです。
自分の思い込みで話を誘導してしまうと、相手は心を開けないですよね。

あくまでも、相手の心の中にあるイメージを教えてもらう。
相手が見ているもの、感じているもの、考えているものを、
聴く立場の者も同じように見て、感じて、考えられるように、教えてもらうというのが、「聴く」ということなのです。

コンサルティングに、ヒプノセラピーを学ぶことが有用だなんて!

と思うかもしれないですが、これが結構いいのです。
心理学関連の知識やスキルは対人ビジネスには必須ですね。

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